豆腐の発酵食品


初の活動から地獄を見る男達

さて。記念すべき第1回活動なんですが。大変なことになってしまいました。ええ。どう大変かって言いますとね、一言で表すならば阿鼻叫喚。こんなぴったりの言葉があるなんて日本語ってすばらしい。仏教文化ありがとう。

ではさっそくレビューです。レビュー? いや、活動報告ですな。

豆腐の発酵食品とは?

豆腐の発祥は中国、淮南と呼ばれる地域だそうです。まあいいかそんなの。ではさっそく豆腐の発酵食品を紹介します。今回食べたのは以下の2品です。

腐乳

腐乳は有名ですね。どこのご家庭にでもある実は、現物を見るのは初めてです。

びんのラベルも大豆製品であることをアピールしていますし、「中華料理」なんて書いてありますから、まあ食品であることはわかります。びんの中身はわりと危険なオーラを発していますが、まあ許容範囲内です。

臭豆腐

これは……臭豆腐。

ものすごい外見してます。それだけじゃなく、ボトルの中からすでにもれている異臭。やばい色をしてにごった液体に、異臭。これは危険です。危険ですよ先生!(混乱気味)

しかし、われわれはこれによく似たものを見たことがあり、かいだことがあるはずです。そうです、街でそれを目にしたことがある!(以下原稿汚損個所あり) バキュー(判読不能)タンクに付いている窓(判読不能)にごった液と固(以下判読不能、むしろ自粛)。いやはや、これはほんとに料理研究会のページなんでしょうか。

ラベルも、「豆腐」と書いてこそありますが、その前の「臭」という文字が食品らしい雰囲気を消し去ってくれています。会社名と思しき文字列の中の「食品」という部分も、この外見の前にはもはや無力でしかない。見づらいですが、側面近くに「一臭万年 香瓢万家」と書いてあるように見えます。「瓢」は「ひるがえる」という意味のようですが、果たしてどんな香りがひるがえるのでしょうか。

臭豆腐を求めて

人様の体験談としてのみ知っていた臭豆腐。これを実際に体験してみないことには何を語ることもできないであろうということで、しがらみとひぐらしの2人で、アメ横の中華食材店へと赴き、購入してまいりました。

とあるサイトで得られたのはアメ横で買ったという情報だけで、どの店へ行けば購入できるのかはわかりません。でも、たぶんあそこだろうなあという見当はついていました。ええ、某センタービルの地下です。いろいろな食材を扱う店があり、すでに異臭が漂っています。日本語がほとんど聞こえない空間です。この段階でかなり帰りたくなりますが、目的を果たさずに帰るわけにはいきません。最初の店の棚を物色すると、いきなり発見しました。何種類かの腐乳が並んでいる中、1つだけ異彩を放つびんを。われわれはとりあえず興奮を抑えるためにフロアを軽く1周し、元の店に戻って白腐乳と臭豆腐を購入したのでした。

戦いの始まり

首尾よく臭豆腐と腐乳を購入した一行は、気をよくして御徒町界隈をうろついたんですが、自転車屋を物色している最中にふと気付いたんですな。なんだか異臭がする。最初は自転車のタイヤのにおいかと思ったんですが、どうやら違う。僕の手提げの中から感じられる。こうなると、原因はただ1つ。臭豆腐だ。慌てて店を出て、手提げの中を覗く。うん、すでに汁が漏れてるね。困惑顔を見合わせつつ、ひぐらし氏と相談。とりあえず、早々に持ち帰ろう。安全に持ち帰るために、コンビニで買い物をして、その袋を重ねてやつらを入れよう。

これ、ビニール袋を3重にしてあります。それでもにおう。もはや人知を超えている。いや、それはわれわれ研究会の見聞の狭さの証明に過ぎない。これを知り、克服することこそが、料理研究会の務めなのではなかろうか。われわれははやる心を抑え、家路に就いた。帰りの電車で周囲の視線が怖くてね。いや、たぶんばれてはいなかったと思うんですけど。

男の戦い

しがらみ宅に到着し、さっそく試食会開始。もちろん臭豆腐からだ! さあひぐらしさん、ふたを開けて下さい!

ぐわっ!

猛烈なアンモニア臭。液面からやってくる無形の圧力。瓶からとんでもない力が溢れて、我々の顔面に強大な圧力をかけてくるとの文を読んでいたが、これほどとは。何が「香瓢万家」だ! 普通に立ち退きを要求されるわ!

落ち着いたところで、いや少しも落ち着いてなどいないのですが、びんの中を覗いてみましょう。

まるで夏の間ずっと放置しておいたざりがにの水槽みたいです。いや、見たことないですけど。そういえば、モルタルをこねたばけつを洗うとこんな感じの水になります。ごめんなさい、形容に食品の名前が一切浮かんできません。食べても大丈夫なんでしょうか。

ふたを開けてしまった以上、もう普通の女の子には戻れない。ともかく前に進まなくては。そんなわけで、震える手で臭豆腐を皿に取り出してみます。

「へえ。あっし、たった今裏のどぶ川から上がってめえりやした」って顔をしてやがる。本当にこれを食うの?

ねえ、そろそろ誰か止めてくれてもいいんだよ?

中身も大変な色であります。眼前で展開されるあまりにもショッキングな映像に、もはやデジカメのオートフォーカスも合いません(無関係)。

ともかく、まずは会長であるしがらみが鉄砲玉になることに。箸の先に、たしなむ程度に付着させ、恐る恐る口の中へ。

うわ。一瞬で口の中がアンモニアに支配される。今、自分が埼玉県で一番息のくさい人物になっていることが、自分自身でもわかる。悔しいからわざとひぐらし氏の方を向いて話しかけてやった。案の定、顔をしかめて「やめてくれるかなあ、ものすごいくさいんですけど」なんて言いやがった。くさいと言ったな! あとで吠え面かくなよ!

で。味に関しては、このにおいにかき消されてだいぶ印象が薄いのですが、かなり強いうまみがあったような感じです。アンモニア臭と、たんぱく質由来のうまみ。これって、ピータンに近いわけですよ。つまり、意外にもおいしいってことです。

次はひぐらし氏の番だ。そんなに見つめたって、においは消えないぞ。

意を決して突っ込め!

口の中にアンモニアが広がったと思しき瞬間にうめき声をあげて、酎ハイをがぶ飲み。ひぐらし氏も、晴れて埼玉県で2番目に息のくさい人物となりました。

新たな敵

続いては腐乳であります。さっそくびんの中から1つ取り出してみます。余談ですが、腐乳という字を出すために「腐った乳」と入力しなければならないのは正直不愉快です。

臭豆腐には、表面に得体の知れない固い層があったんですが、腐乳にはそれがない。たったこれだけのことで好感が持てます。特ににおいを感じないのは、臭豆腐のおかげですでに嗅覚疲労を起こしていたんでしょうか

で、まあさっそく食べてみます。今回はひぐらし氏が先に挑戦。口に入れて……しばらくリアクションがない。そのあと少しまずそうな唸り声を上げたものの、実際はさほどまずくなかったようで、すぐに平静を取り戻していました。で、一言。「これはまあまあうまい」と。続いてしがらみも食べてみたところ、確かにうまい。塩辛い感じがあり、うまみも感じるところから、塩うにみたいな印象を受けました。しかし、臭豆腐と比べるとうまみは弱い。発酵が進んでいないせいだろう。しかも、余計なことにナッツ系の香りが付けてある。たぶんごま油。これはいらないよなあ。そんなわけで、僕としては点がからいです。

まとめ

うーん、どうまとめていいかわからないんですが、とりあえずそれぞれの食品に対する、2人の評価を整理してみましょう。

しがらみ

臭豆腐は、においが強烈であったものの、うまみはかなり強かった。アンモニア臭と、アミノ酸のうまみは、ピータンを連想させる。

腐乳は、においもなく、うまみも少ない。しかもごま油の香りがじゃま。臭豆腐を経験してしまうと、腐乳は中途半端。まあ、炒め物の味付けに使うというのには興味がある。

どちらがおいしいかと聞かれたら臭豆腐と答えるが、どちらを食べたいかと聞かれたら腐乳だろう。

ひぐらし

臭豆腐は人の食うものにあらず。うまみはあったかもしれないが、それを打ち消して余りある悪臭。あれをうまいと言うしがらみは変態だ。被虐趣味に違いない。

腐乳はうまい。炒め物の味付けに使ったりするという話なので、それを食べてみたい。でも、ごま油の香りはじゃま。

2人の一致した意見として、

というのが挙げられます。

しかしあれですな。まだまだ知らない食材はたくさんあるものです。今後も、食べたことのない食材には果敢に挑戦していきたいと、おろかにも思うジークフリート会員でありました。